2011年5月5日、イスタンブール

今週、ピレリのF1タイヤがホームに戻ってきます。F1で使用されるタイヤは、トルコのイズミットにあるピレリのモータースポーツ用タイヤ製造施設だけで生産されているのです。F1タイヤの研究開発は、まずミラノの研究室で理論モデリングや化学分析によって行なわれ、プロトタイプの製造はイズミットで行なわれます。その試験が完了し承認されれば、レースタイヤの製造が開始されます。

まずタイヤのビード(ホイールリムに接する部分)の製造ラインからタイヤ製造は始まります。F1タイヤにはおよそ100種類もの化学材料が使用されていて、大きく分けて18の部品によって構成されています。

次にタイヤのベルトが別のラインで製造されます。タイヤの形状を定め、タイヤ全体の構造剛性を維持する部品です。

3番目の製造ラインは最も重要な部分で、ビードとベルトを組み合わせてタイヤの形状にします。この段階で、タイヤのパスポートとも言えるバーコードも付与されます。

次は加硫してタイヤを“cooked-過熱調理”する工程です。これによってコンパウンドと構造の特性が決まるのです。

最後のステップは品質確認で、タイヤの寸法測定と内部透視検査を行ない、タイヤ構造の完全性と均一性を確認します。イスタンブールパーク・サーキットからクルマで1時間のところにあるイズミットの工場では今年、総計約5万本のF1タイヤが製造されます。

サーキットについて:

全長5.338kmのイスタンブールパーク・サーキットは、例年、路面温度が高くなることで知られます。しかし今年は、天気予報では土曜日まで雨天が予想され、その後はやや好転すると予想されており、ピレリのインターミディエイト・タイヤとウエット・タイヤが初めてレース週末の公式セッションで使用されることになりそうです。

また、イスタンブールパークほどタイヤに厳しいサーキットはそう多くありません。ターン1では7速から3速までといった激しい減速が要求される箇所もあり、ここは特殊なキャンバーのせいで左フロントタイヤをロックさせやすくフラットスポットを作ってしまいがちです。ここでは、ソフト・タイヤの高いグリップによってそのリスクを減らすことができます。

その後には、ターン3から6までテクニカルなセクションが続きます。理想的なレーシングラインをキープし、スピードを高く保つことがドライバーに要求される、難しいコーナーの連続です。

サーキットの中盤には、F1グランプリの中でも屈指のコーナーであるターン8が待ち構えています。ここは3つのエイペックスがあり、時速260kmで飛び込んでいく、F1開催サーキットの中でも最も難しいと言われるコーナーです。コーナーの中ではスロットル全開で、クルマにもタイヤにも4.6Gの横Gがかかります。これは950kgの荷重に相当します。しかしソフト・タイヤのグリップを生かせば、正確なステアリング操作で安全にクリアーできます。

短いストレートを挟んでから、各車は時速にして150kmまで減速してタイトなシケイン(ターン9と10)に入っていきます。それを抜けると長いストレートが待ち受け、エンジンには再び全開走行が求められます。

全開で抜けるターン11では時速300kmに達し、そのスピードとダウンフォースによってタイヤの旋回アングルが大きくなり、アウト側の縁が浮き上がります。

最終コーナーは正確なステアリング操作と、メインストレートへ向けてホイールスピンをさせない範囲で鋭い加速が求められます。ホイールスピンを発生させるとタイヤの摩耗が促進されてしまうからです。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:

「現時点では雨まじりの天候になっていますが、トルコでこんな天気になろうとは誰が予想したでしょう! しかし我々は4月にトヨタTF109を使ってペドロ・デ・ラ・ロサのドライビングでここでテストを行ない、このようなコンディションも経験しています。気温は15度で雨でした。ですからこのような状況に対する準備もできています。その時のテストでは特にインターミディエイト・タイヤが非常に素晴らしい性能を発揮してくれましたし、もし仮に明日のコンディションがこのままであっても問題なくこのタイヤで走行できるでしょう。しかし今回の金曜フリー走行には進化型のハードタイヤを持ち込んでいますから、ドライで走行できドライバーたちからのフィードバックが得られることも願っています。しかしどんなコンディションになろうとも、面白い週末になると確信しています」

ピレリの雨天用タイヤについて:

インターミディエイト・タイヤ

3mmの浅い溝が刻まれ、時速300km走行時に秒間20リットルの水を排水することができます。しかし溝があることで接地面積は減少しており、ドライ路面でのグリップは晴天用タイヤよりも低くなっています。雨量が増した時には、“クロスオーバーポイント”でウエット・タイヤに交換する必要があります。インターミディエイト・タイヤには青色のロゴが刻印されています。

ウエット・タイヤ

インターミディエイトよりも深い、市販車用タイヤに近い5mmの溝が刻まれ、時速300km走行時には秒間60リットルの排水性能を誇ります。なお、市販車用タイヤの排水性能は、より低い速度域で秒間約10リットルです。ウエット・タイヤにはオレンジ色のロゴが刻印されています。

***

Follow us on Twitter @ Pirelli_Media or Facebook on www.facebook.com/Pirelli